アスリートのキャリア形成や転職、引退後の人生設計に関する支援を行う「アスリートキャリアコーディネーター(ACC)」のBasicコースを受講しました。
アスリートの「セカンドキャリア」については、社会問題として取り上げられていますが、アスリートのキャリア形成を専門に支援するACCを育成する取り組みです。
今回はACCとは何ぞや、どうやったら認定を受けられるのか、育成プログラムの内容などをご説明します。
1. ACCとは
「アスリートキャリアコーディネーター」Athlete Career Codinatorのことで、アスリートのキャリア形成や転職、引退後の人生設計に関する支援を専門に行う人材です。
アスリートが現役で競技活動をしているうちから、引退後に直面するであろうキャリアの課題について相談に乗り、アドバイスを行うことを目的としています。
スポーツ庁の委託事業であるスポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)が運営しています。
SCSCはアスリートが安心してスポーツに取り組むことができるキャリア形成の環境を整備するため、「スポーツキャリアサポート推進戦略」の一環として、2017年2月に創設されました。
2. ACCになるためには
SCSCが主催する育成プログラムを修了し、認定課題の審査に合格すると認定ACCになれます。
育成プログラムはBasicコース3日間を修了したのち、更にAdvancedコース3日間があります。
各日程は18:00~21:30の3.5時間でスケジュールが組まれています。
3. ACC受講対象
ACCとして認知絵を受けた場合、実際に活動する意思、計画がある人が対象。
・スポーツチームの指導者、コーチ、トレーナー、スタッフ等運営に関わる方
・スポーツ関連団体のキャリア教育担当、アスリート、元アスリートでキャリア分野の勉強をしたい方
・キャリアコンサルタント等の有資格者でアスリートのキャリア支援に関心のある方
・企業のアスリート支援部署の方
・人材関連企業のキャリアアドバイス担当の方
4. 費用
無料
5. ACCに必要な7つの要素
1 | 知識・役割編 | 労働環境の概略と、アスリートのセカンドキャリアの現状を理解している |
2 | ACCの役割、活動範囲、職業理論について理解している | |
3 | 最新のキャリア理論(心理学等を含む)について基礎を学んでいる | |
4 | 技術・行動編 | キャリアシート、適性検査なども使った支援プロセスの基礎を理解している |
5 | スポーツ業界、一般企業(人事)等のネットワーク形成と連携に努力している | |
6 | 継続学習能力がある(環境変化、戦略分析、各種スキル、ケース事例) | |
7 | 対人カウンセリング、メンタリングの基礎を理解している |
6. Basicコースの内容
2024年度(令和6年度)は全てオンラインでおこなわれ約180名が参加(定員は100名程度でしたが)。
既にキャリアコンサルタント国家資格をもっている方、元アスリート、指導者の方が多くいらっしゃいました。
事前課題としてPROGというジェネリックスキルのアセスメントプログラムを受講し、その結果を基にDay2の講義が行われました。
各回ともブレイクルーム4-6人ぐらいのグループに分かれ、ディスカッション、ケーススタディ、ロールプレイングなどを実施。
内容 | 講師 | |
Day1 8/29 | ①環境理解 | 高橋義雄さん |
②ACCの理解 | ||
③キャリア理論 | 布施努さん | |
④アスリート特有の課題 | ||
Day2 9/5 | ①アスリート理解 | 川島隆一さん |
②社会人基礎力の概念理解 | ||
③ケーススタディ | ||
Day3 9/12 | ①対話の基本スキル | 網野千文さん |
②実践トレーニング(ロールプレイング | ||
③まとめ | ||
④全体まとめ |
7. Advancedコースの内容
内容 | 講師 | |
Day1 11/5 | ①「Can」視点の職業探索を体感する | 川島隆一さん |
②「Will」を探る | ||
③アスリートの取り組みをビジネスシーンに翻訳する | ||
④まとめ | ||
Day2 11/11 | ①アスリート視点 | 諏訪部彩さん |
②指導者視点 | 藤生喜代美さん | |
③企業視点 | 山谷拓志さん | |
④まとめ | 田沼泰輔さん | |
Day3 11/18 | ①集団へのファシリテーション | 八田茂さん |
②ネットワーク形成と連携 | 坂田賢二さん | |
③まとめ | ||
④最終課題 |
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