アスリートの皆さんは「競技者」としての人生では、何を目標として、その目標達成のために今後どういったトレーニングを行い、キャリアを歩んでいくのか日々考えていると思います。
一方、「人」としての人生については、考えることを後回しにしてしまっているのではないでしょうか。
今は競技に集中したい、引退してから考えよう、どう考えて良いかわからない、相談する人がいない、などなどの理由があると思います。
あるいは、引退後を考えること自体許されない、逃げと取られる空気感もあるかもしれません。
スポーツ庁としてもアスリートの環境やキャリアについて問題意識を持っており、2017年に委託事業としてスポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)を創立。
その中で、アスリートのキャリア形成や転職、引退後の人生設計に関する支援を専門に行う人材(ACC*)の育成を開始しました。
*アスリートキャリアコーディネーター:Athlete Career Codinator
アスリートが現役で競技活動をしているうちから、引退後に直面するであろうキャリアの課題について相談に乗り、アドバイスを行うことを目的としています。
引退後または競技生活の終盤からではなく、できるだけ早うちからキャリアについて考え、取り組みを行っていくことが重要です。
(もちろん、どのタイミングであっても遅すぎるということはありません!)
また、キャリア形成支援によって競技パフォーマンス向上に繋がる効果も期待できます。
ACCの役割
・ACCがアスリートに伴奏し、アスリートの目線でキャリア形成をサポートします。
・アスリートがトレーニングを通じて獲得したスキルや経験はキャリア資本であり、社会で活用すべき貴重な資本です。
・その資本を社会で有効に活用するとともに、アスリートの「人」としての人生を豊かにすることがACCの役割です。
・ACCはアスリートとの面談を通じて、次のステップを踏みながら職業探索をサポートします。
① Can:アスリートが自分の強みやスキルを認識し言語化
② Will:過去にの経験から自分は何をしたいのかの探索
③ Must:社会または職業から求められる役割の整理
キャリアの考え方
① デュアルキャリア
・アスリート引退後の「セカンドキャリア」ではなく、現役活動中から「デュアルキャリア」形成をサポートする。
・「デュアルキャリア」は、「人」としての人生を歩みながら、「競技者」としての人生を”並行して”歩むという考え方。
SCSCホームページより(https://sportcareer.mext.go.jp/about-sportcareer/)
② プロティアンキャリア
・更に最新のキャリア理論である「プロティアン(=変幻自在)キャリア」の考え方を取り入れて、「転職」ありきではなく、「戦略」ありきのキャリア形成をサポートする。
・ポイントは3つ。
・キャリアは個人と組織のより良き関係を創る
・キャリアの成功とは、個人が「心理的成功」を味わうこと
・キャリアはいつからでも開発可能
SCSCホームページより(https://sportcareer.mext.go.jp/about-sportcareer/)